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発明狂の時代

「発明狂の時代」。原題は"Victorian Inventions"、つまり19世紀末、欧米での奇妙キテレツな発明品をまとめたものである。

この時代は「第二次産業革命」と呼ばれ、電気、化学、製鉄などの分野で技術革新が進み、電車や電球、電話、無線、ラジオ、映画、蓄音機、自動車などの発明が相次いだ。エジソン、ベル、ベンツ、ダイムラーはこの時代の人々である。

そして一つの成功した発明の裏には、何十、何百もの失敗し忘れ去られた発明があり、この本はそれらにスポットライトを当てている。

たとえば光線式電話機。原理は光通信に同じ。ただ剥き出しの光線を使っていたので、大気の具合によって容易に信号が劣化した。完全な光通信の実現には、光ファイバーの実用を待たねばならなかった。

ベッセマー式サロン船。回転する枠の内側に船室が設けられており、どんなに船が揺れても、内部の船室は水平を保つようになっている。転炉を考案したベッセマーによって発明された船である。

これらの発明品はビクトリア朝スタイルの版画で描かれており、リアルな悪夢のような、一種独特の雰囲気を醸し出している。

悪夢。この時代の発明品には、夢想が多く入り込んでいた。いわば科学という皮をまとった、魔術だったと言ってもいい。

そして魔術とは身体感覚がそのまま世界感覚に通じるものであったから、当時の発明家は、これらの発明品を使って、世界をその手のうちに収めようと試みたに違いないのだ。

たとえば飛行機一つとってみても、当時の試作機はほとんどが人間や鳥の肉体の延長であり、機械が機械のために機能の延長をする現在のステルス戦闘機のような形からはまるで遠いところにいたのである。

魔術と芸術と科学が、未だ不分明だったころの、古き良き時代のことであった。

図説 発明狂の時代図説 発明狂の時代
(1992/08)
レオナルド・デ フリーズ

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