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パンプキンシザーズ~装甲列車~

「情報三課」も既に十巻を迎え、新章「0番区抗争編」が始まる。

前章「カルッセル編」では、装甲列車が話の主人公だった。町を守る、帝国軍誇る鋼鉄の移動砲台はいかにも武器武器としていて、イメージをかきたてるが、実際には余り使い勝手の良いものではなかった。

何しろレールに束縛され、自由に移動はできない上、レールが破壊されれば移動さえもできなくなる。そんな理由から、装甲列車は早々に歴史から姿を消し、装甲車や戦車にとって代わられたが、その初期には存在理由もなくはなかった。

一つは道路舗装の不備。20世紀初頭、高速道路が無かった時代では、大砲という重量物を乗せた移動車両は地面にめり込み、自由に行動ができなかった。それを解決するために、イギリス軍はトラクターのキャタピラーを流用したが、それでもエンジンの制約があって、大重量の砲塔は搭載できなかった。

小型の車両エンジンはあるにはあったが開発途上で、信頼性も低かったのである。実際、戦車のデビュー戦では攻撃で動けなくなる戦車より、機関故障で頓挫する車両の方が多かったくらいである。

そんな技術水準では、むしろ蒸気機関車に砲台を引いてもらう方が現実的だったとも言える。

もう一つの存在理由は、鉄道施設の警護である。鉄道は戦略拠点で、ジャンクションや橋梁のみでなく、荒野や森林の鉄路も狙われた。当時は舗装路が少なく、奥地の鉄路に車では到達できないことがしばしば。そこで鉄路を警備し、敵を駆逐するために装甲列車が配置されたのである。

アフリカのジャングル鉄道などが有名な使い道だが、日本でも満州鉄道に使われ、馬賊の襲撃などから鉄道を守った。



さて物語だが、設定を見ると、カルッセルは舗装道路があり、帝国軍は既に装甲自動車も装備しているため、砲台列車に頼る必要はない。

というより砲台すら必要ないのであって、現代では機動戦が基本にあり、制空権・制海権を握ったものが陸戦を制し、動かざる巨大砲台は無用の長物と化している。実際、フランス軍が擁した巨大要塞・ペダンは、第二時世界大戦において、ドイツ軍の機動戦の前に呆気なく抜かれ、幸福している。

そのような状況下での砲台列車は、些か時代遅れな設定のように見えるが、その時代錯誤性がアーヴィーをして封建的な強圧統治を行わせたと、見ることも可能なのだろう。

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(2008/09/17)
岩永 亮太郎

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