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リーマン破綻

リーマン破綻については既に色々な識者やメディアが伝えているが、ここぞとばかり、「アメリカ型資本主義の敗北」を騒ぎ立てる向きも多く、鬱屈した日本のナショナリズムがここにも出ているなあ、とついつい微笑んでしまう。

偏見を抜きにして考えれば、アメリカのデリバティブを利用した金融資本主義は利点も多く、全否定してしまうのは「角を矯めて牛を殺す」だろう。デリバティブは少ない資金で大きな投資を可能にするものであり、これが否定されれば、投資は非常に制約されたものになり、結果、世界経済の動きは鈍いものになってしまう。

要は行き過ぎを制御できるようなシステムを、built inすればいいだけの話なのである。

日本ではこれを機会にかつての規制王国へ戻ろうという動きが強まっているが、そのような経済は資本の動きが鈍く、世界的な競争には勝てないだろう。



さてアメリカの動向だが、住宅金融公社が公的救済されたころから、インディマックをはじめとした銀行の倒産が出始め、弱体化した金融機関が破綻するとの予測は出ていたが、業界4位のリーマンブラザーズまで倒産するという事態は、正直予想がつかなかった。

確かにリーマンの決算は不透明で、危ないという噂もあったが、4位という大きさから当局も潰すに潰せないだろう、という見方の方が強かったのである。

それが潰れた。スターンズが救済されてリーマンがされなかったのは、竹中氏などは明確な規準があるとしているが、正直ピンと来ない。むしろリーマンを救出するには膨大な資金が必要となるのでできなかった、というのが真実のように思う。

ところがリーマンを潰してしまうと、その損失をこうむったのが保証会社AIGであり、AIGが倒れるとその保証業務も破綻してしまうため、金融システム全体が崩壊しかねない。これは大恐慌の再来であり、なんとしても避けなければならなかったために、AIGには公的資金を注入する決断をしなければならなかったのである。

結局リーマンを潰してしまったために、アメリカ政府は何倍、何十倍も多くの公的資金を使わざるをえず、どうも対策が後手後手に回っている印象がある。日本では「アメリカ当局は打つ手が早い」という評価が定着しているが、実際には早いのは金融業界での事態の進展であり、当局はそれを必死で追いかけているというのが印象だ。(もちろん、かつての日本当局よりはずっと早いが)



ではアメリカはどうなっていくのか。楽観論と悲観論が交錯している。楽観論は実際に破綻した銀行はたった5行、証券会社に至っては1会社だけであり、パニックになる理由がない、と言う。一方、悲観論はこれは単なる出だしであり、次々に金融機関が破綻し、アメリカ政府も支えきれなくなって大恐慌が発生すると反論する。

現在は市場も落ち着き、ドルも高めに推移している。アメリカはパニックにはなっていない。

ただ信用収縮は続いており、地価の下落も止まってはいない。カリフォルニアでは地価は4割も下落し、なおも下がり続けている。ネバダ州のような新興地ではなおさらだ。失業率も上昇し、商工業の売れ行きも悪く、実経済と金融経済が相互に足を引っ張り合う「負のスパイラル」が起きている。

もっともだからといって、アメリカが沈没するというのも早急だろう。日本でも十年ほど前、金融不安があったが、それで日本経済が破綻したことはなかった。アメリカは3億の人口を抱え、教育水準もインフラも完備され、ハイテクから農業まで様々な競争力ある産業を保持した経済であり、破綻するとは考えにくい。

そのため政府が不良債権を買い取ることで、金融不安は落ち着きを取り戻し、実経済もそれにつれて回復すると予想されるが、議会が公的資金注入に反対するなど、対応を誤れば傷口は広がりかねない。

テーマ : サブプライムローン問題
ジャンル : 政治・経済

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