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そらのおとしもの

そらのおとしもの 限定版 第1巻 [DVD]そらのおとしもの 限定版 第1巻 [DVD]
(2009/12/25)
保志総一朗早見沙織

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毎期毎期、数多くのアニメがラインアップされ、ネタ切れしないかとハラハラして見ているがw、さすがに昨今はめぼしい作品が少なくなったてきた。

00年代初頭、世界的なサブプライム景気をうけて日本でもプチバブルが発生。アニメはカネになる、というので、余剰資金がア大量にニメ業界に乱入した。

2005~6年には、当時外務大臣だった麻生太郎が「アニメ好き」を表明したこともあって、ブームはピークをむかえる。

当時のラインアップは、「苺ましまろ」、「ローゼンメーデン」、「ケロロ」、「マリみて」、「プリキュア」、「なのは」、「ARIA」、「ねぎま」、「地獄少女」・・・などがあり、いかに豊作だったかが窺える。

しかし金融危機以後は注目を浴びるような話題作は減り、息切れが心配される事態に陥っているが、今期の「そらのおとしもの」は、その中で気を吐いている一作だ。


平和に暮らしていたスケベな少年・ともきに、ある日「そら」から降ってきた美少女アンドロイド・イカロスが巻き起こす、いわゆる「押しかけ女房だっちゃもの」。(エロ要素が強い点からは、むしろ「ユリア100式もの」に近いか?)

だが、それでは芸がないというので、そのアンドロイドが実は大量殺戮ロボであった、という伏線が張ってある。しかもその戦闘力がハンパなく、日本一国を丸焼きできるほどっつーのだから、「最終兵器彼女」や「エルフェンリート」を彷彿とさせる。

んで、そのアンドロイドの正体は「浮遊大陸(そら)」にすむ、先進人類の工芸品なのだ。そこに囚われている女性科学者(アンドロイドの海の親)が主人公に託したもので、主人公らはやがて彼女を救いに「そら」に上っていく・・・というわけだが、当然作品の醍醐味はそこには「ない」w。

醍醐味はイカロスと、ともきとの掛け合いだ。感情がなく、人間世界にも疎いイカロスの日常は「ボケ」に満ち満ちており、それを主人公が広いあげて笑いにしていく。この「白痴美」は既に様式化されているのだが、やはり笑いと萌えを両立させるのには、センスがいる。

この作品はそれをクリアし、かつほのぼの感とスリル感を高い地点でバランスさせた良作だが、アニメ化ペースの速い角川(「少年エース」掲載)にしては、アニメ化は遅かったといえる。「大人の事情」があったのだろう。


物語は、この世界が空上世界の住民らの「夢」だった、という地点で終わっている。主人公は、彼に恋する少女の夢、もしくは妄想なのである。

少女が目覚めれば主人公は霧散し、主人公が生きながらえようとするなら、少女は永遠に眠りについている必要があるという、ジレンマがそこにはある。

そのような設定の場合、かつては「少女を無理やり覚醒させ、現実に直面させる」、という解決が多かったように思う。「果てしない物語」でも、苦悩しながらも、少年は物語世界から脱出したものである。

(「ナルニア」では、最後に4兄弟は死に、アスランの世界に入り込む。一見現実逃避のようにみえるが、実はアスランの世界こそが真実世界だという含意がそこにはあり、その意味で4兄弟は最後になって、はじめて「現実」に直面したのである)


しかしディズニー映画「トロン」や、板橋しゅうほうの「アイ・シティ」ころから、虚構世界のなかにリアリティを見出して行こうという動きが見られるようになった。いわゆる「Virtual Reality」に基づいた世界観である。

その流れは「甲殻機動隊」や「電脳コイル」などに引き継がれ、今では虚構と現実が入り乱れて世界観が、逆にリアルになってきている。

そうすると、「そらのおとしもの」も、単純に少女が目覚めて「夢でした」、で終わるとも思えない。そこには何らかのドン伝返しがあると、期待したほうがいいだろう。

自分的には、夢の世界たる地上世界が実体化し、トモキと少女が結ばれるというハッピーエンドを描いているが、そうするとイカロスら、トモキに恋するアンドロイドらのラインはどう処理するか、という問題がある。幼馴染の準ヒロイン、そはらの処理も頭が痛い。

「エルフェンリート」はそのヘンをヒロインの自死、という形で解決したが、作者にはそのような安直な形でなく、ぜひとも全員が幸せになるような終わりを用意してほしい。

テーマ : そらのおとしもの
ジャンル : アニメ・コミック

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