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ネトウヨ涙目

ほんの一と月しかたっていないのに、なぜか長い時間がたったように思える衆院選の夏だったが、自民・公明の反民主キャンペーンは色々な意味でおもしろかった。

オザワ氏の献金問題を揶揄した寸劇や、民主マニフェストの無責任さを面白憎らしくCMにしたものだが、結果は散々。「自民はそんなに票がほしいのか」、「このCMを見て民主党に入れた」、とする有権者が続出。自民大敗の一因となった。

ただネットではこのCMを支持する意見が多く、総選挙がせまるにつれ、世論との乖離が目立つようになっていく。

2chではネトウヨらが決起。「ローゼン閣下(=麻生前首相のこと)を援護せよ」、を合い言葉に反民主コピペが四方に投下されたが、これも大いに顰蹙をかった。

2chでは、その掲示板のテーマと関係のない投稿をするのは禁止されており、それを堂々と破るネトウヨは批判を浴び、ひいては2チャンネラーらの自民党への反発につながったとされている。


そしてついに運命の日が来るのだが、ネトウヨの反応がまたおいしい。

「日本ヲワタ」と嘆くのもいれば、「もう日本を見捨てて海外移住する」、と愛国者らしからぬセリフを吐くものもおり、「投票はウソ。真実はニコ動だけ(ニコニコ動画の世論調査は、自民党の有利を伝えていた)」、と陰謀説を唱えだす人、

「日本人はミンスに騙されている。4年後になって吠え面かくなよ」、と逆切レする輩まで噴出。しまいには「日本人の7割は在日」と妄想系に浸るカキコまで出る始末。

中でも白眉なのが、反民主キャンペーンを「独自」展開するも、家族らの反発にあって挫折したニートのカキコ、「ネトウヨ大憤死」

ネタぽい部分はあるのだが、「反民主ビラを自民党事務所に持ち込む」、「言う事をきかずに民主に投票した家族に逆切レしてガラスを悪」など、ネトウヨの生態描写にリアリティがあることから、少なくともネトウヨに関わりがある人が書いたものだろう。


これと前後して、ネトウヨ活動の黒幕も明るみにされていく。従来、ネトウヨは従来のウヨク活動家からの連想のせいか、ニートや勤労青年が大多数とされていた。

しかし反民主キャンペーンを展開していたネット活動家のなかには、鬼女(=既婚女性のこと)や農村層が意外におおいことが発覚。自民党関係者などから金品を得ていた、とする情報も暴露された。

もっともよく考えて見ると、これは不思議なことではない。飽きっぽいニートには執拗な反民主キャンペーンは持続できないし、勤労青年には真昼間からカキコする時間もない。時間があって、根気のいるネトウヨ活動には、実は主婦や地方在住者のほうが適している。(←ちょっと偏見入ってます)

またネトウヨの背後には、何かしらの組織の関与が疑われる、というのも兼ねてから指摘されている「事実」である。


金太郎アメのように定型的なカキコは、ネット活動がマニュアル化されていることを窺わせるものだし、少しのサヨク的カキコをも見逃さずに叩いて回る人海戦術は、組織的な関与を想像させるに足りるものであった。

現在、組織の統括者としては自民党の大物議員や、ウヨクの財界人が噂されているが、いずれにせよ、かなり信憑性のある話である。というのは、ネット宣伝はさほど費用もかからない割には、世論を誘導することがカンタンだったからだ。

たとえば2chでは、10人のフルタイム活動家がいれば、その政治性を決定することができると言われている。ネット調査も同等である。そしてそのネット調査をマスコミが大々的に報道することで、あたかも日本人全体が自民党を信じ、愛好し、民主党なんかに政権は任せられない、という雰囲気が醸成されてきた。

ネットはマスコミを利用して世論捜査を行い、マスコミは先端的で話題豊富なネットを利用して視聴率をかせぐという、いわば「ネットとマスコミの共犯関係」が、日本の保守政治の延命に一役かってきたのである。


ところがネットが掲示板からブログ、SNS、ツイッターと深化・一般化するにつれ、2chやネット調査の注目度が低下。躍起になってネトウヨ活動を過激化させると、世論から乖離していくという悪循環に陥ったのがだいたい00年代後半からの傾向で、その行き着いた場所が、「反民主キャンペーンネトウヨ」なわけである。

キャンペーンが大失敗に終わったことを受けて、自民だか財界だかのネット世論捜査部は、戦略変更を余儀なくされている。このままネトウヨ活動を続けさせるのか、あるいはネットの特別扱いはやめて、リアル世界と同等に扱うのか。

その動向を左右するのが、ネット選挙活動の解禁である。

従来、自民党は選挙活動におけるネットの利用に反対であった。それはネットを通じた世論操作が有効なのは、ネットが限られた人のアクセスする狭い世界だったからである。狭い世界なればこそ、少人数の工作員で、ネット世界を牛耳れるのだが、ネットが解禁されればその旨みはなくなる。

しかし民主党はネットの選挙利用を許可する方針を打ち出している。となれば、従来のような世論操作は早晩通用しなくなる。ネットを使った政治活動そのものがなくなる訳ではないが、従来のような特権的立場はうしなわれるだろう。

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