スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

日本製造業のゆくえ

先日、ポットを買ったところ、コードの接触が悪く、取り替えてもらっても、やはりトラブルは直らなかった。

いつの頃からだろう、日本製品の品質が劣化し出したのは。
記憶を遡ると、それはH2ロケットが爆発した頃に、始まりがあるように思える。

10年前、日本の技術の粋を集めたこのロケットは続けて爆発事故を起こし、日本技術への信頼性が大きく失われる結果をもたらした。

もっとも今から考えると、宇宙開発というものは失敗がない方が珍しく、アメリカでもソビエトでも多くの失敗を繰り返したのである。

アメリカではアポロ計画で乗務員3人が焼死する火災が発生。スペースシャトルでもチャレンジャー号・コロンビア号が爆発・分解し、いずれも乗組員7名全員が死亡する事故を起こしている。

ソ連も負けておらず、ソユーズ1号は着陸中、パラシュートが開かずに乗員は墜落死、11号では気密が不十分で乗務員3名が死亡。

死傷者が出なかった事故は、その何倍にも達する。日本の宇宙開発計画は、むしろ順調に行きすぎたと言っても過言ではないだろう。



とはいえ、2000年代に発覚した三菱自動車のリコール隠し、トラック脱輪事故。ソニーのブランド力の失墜。

身の回りでも、やれ洗濯機が水漏れする、冷蔵庫が振動する、スタンドの接触が悪い、という話には事欠かない。

サポートに電話してもなかなか繋がらず、繋がっても的を欠く応対が続き、廃棄するにもお金がかかるという状態になってしまった。

ただ、日本だけがおかしな訳でなく、元来、これが製造業の「世界標準」だったのである。日本企業が海外展開する前までは、高品質・アフターケアな家電製品など、ほとんど存在しなかった。

日本は世界市場に進出するために、新機軸を打ち出したのだが、それを可能にしたのが安価な労働力であったと言うことは、余り知られていない。

サービス残業や「宿題」など、日本の製造業では公私混同に基づく24時間勤務体制を黙認して業績を上げるとともに、実際には8-10時間相当の賃金のみを支払うことで、賃金高騰を回避した。

労働者側も、終身雇用や手厚い福祉厚生を受けることで、このような海外から見れば「理不尽な」労働慣行を受け入れた。



しかし終身雇用が崩れ出すとともに、そのシステムも崩壊することになる。

今、政府は製造業の嵩上げに躍起になっているが、一向にうまく行っていないのは、単純に言えば「製造業の賃金が安すぎる」からである。

大阪大学の調査によると、製造業の生涯賃金は、金融・商社などに比べると5000万も低いという。

これでは製造業を目指す若者など居なくなるし、実際、東大ではIT業界を目指す学生が減少、代わって金融を志す生徒が増えているという。

何しろIT業界は労働条件が悪く、ヘルニア・夜中帰宅は当たり前だが、給料もさほど高いわけでない。その割には要求水準は高く、技術革新が急速なので日々勉強を怠らないといけない。その上下請け・孫請けから来る中間搾取がきつく、利益が末端まで還元されていない。

当然なりたがる日本人は少なく、今では中国人やインド人の方が期待されているという、「国際化」の進んだ分野なのであるが、それはITだけの話ではなく、製造業一般に言えることだろう。



もちろん製造業者とて搾取をしたいわけではないのだろうが、国際的競争に日夜さらされている製造業では、おいそれと賃金を上げる訳にはいかない。

またそもそも、「金は金を産む」という言葉の通り、利益を上げるには金融が手っ取り早いのであって、製造業は時間と手間がかかる割には、儲けが薄い。

製造セクタから金融セクタへ人材が流れるのは自然の成り行きであり、一介の日本政府ぐらいで、どうこうできるという流れではない。

ただ日本の問題は、まだ製造業に依存している部分が強く、金融業は様々な規制や文化の違いによって本格的に広がっていない、という点にある。

少しでも金融業界に不祥事が発生すると、すわ、とばかり金融罪悪論が飛び交い、論議は製造業に戻れ、という決まり文句で終わる。或いはその反作用として、金融立国論が飛び出す。

そのどちらも正しくないだろう。日本は金融だけでやっていけるほど、金融業に長けているわけでもないし、製造業だけで外貨を稼げた80年代が再びやってくることもないと思われる。

従って、scrap and build-優れた技術、他者が容易に追随できない製造業は伸ばし、そうでない製造業は潰し、余剰の人員は金融や知的財産管理など、他の高リターンな分野に回すことで、この問題を解決するしかないだろう。

政府が無理に科学技術熱を煽ろうとしても、良い結果は得られない。適材適所、製造業には製造業に向いている人材が、金融業にはそれに適する人員だけが行くべきであろう。

用は自由な研究開発が行われる土壌を確保してやることであり、それでも政府が規制を加えたいのなら、下請けなどの中韓搾取に眼を光らせれば良い。それが製造業復活の鍵であり、高利益を産むようになれば、自然に人材も集まるものである。

テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

コメントの投稿

非公開コメント

 >IT業界は労働条件が悪く、ヘルニア・夜中帰宅は当たり前だが、給料もさほど高いわけでない。その割には要求水準は高く、技術革新が急速なので日々勉強を怠らないといけない。その上下請け・孫請けから来る中間搾取がきつく、利益が末端まで還元されていない⇒ホントだよねv-293。夜中帰宅は当たり前っての、なんとかして欲しいです。
 労働基準法に違反してるでしょ。これってどこに訴えるの?でも、訴えると出世に響くでしょ。訴えた人の名前を伏せる事ってできるのかなe-263

その場合は投げ文ならぬ、投げメールでもしてみては、いかがでしょうか。
ブログ内検索
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
RSSフィード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。