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花のフィレンツェ~チマブエ

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チマブエは、詩人ダンテが「絵画の世界の覇者」とまで絶賛した画家である。しかしその割には伝承が少なく、生没年すら明らかでない。ただフィレンツェに生まれ、13世紀に活躍したことは分かっている。(ちなみにダンテもまた、フィレンツェ生まれである)

その代表作「荘厳の聖母」。金色の背景、左右対称の構図、平面的な描写、画一的な表情などは、すべてビザンチン絵画から受け継いだもので、今日的な眼で見ると、ルネサンスというよりは中世的である。

Cimabue.jpg

この絵は奇妙な五角形をしているが、これは元々教会の壁画だったからである。教会の小部屋の壁から天井にかけて描かれているため、平面に伸ばすと、このような五角形になるのだ。

当時は拡大した農業生産力や、十字軍の影響などから商業が活発化しており、それを背景にして教会芸術が盛んになっていた。この芸術をゴシック様式というが、ゴシック様式は、それ以前のロマネスク様式とは大きく異なっていた。

ロマネスク建築では窓が小さく、室内は暗かった。そのため金色で描かれた画像は明るく輝き、引き立ったのである。一方、ゴシックになると、窓は拡大され、室内に外光が差し込むようになる。すると人々は絵の細部までを、じっくり観察することができるようになる。

その結果、それまでの絵画は「ちゃちい」と思われるようになったらしい。確かに陽光の下で見る中世絵画は、のっぺりして、どこか稚拙さをかんじる。(↓「星の聖母」12世紀ロマネスク)

star.jpg

そこでチマブエが工夫したのは「立体感」であった。

「荘厳の聖母」の玉座を見ると、斜めから描かれ、立体感が出されていることが分かる。それに合わせて聖母の体も斜めを向いており、奥行きが感じられるように配慮されている。周りの天使らも玉座の前後に配置され、立体効果を盛り上げている。

さらに洋服の皺は写実的に描写されており、顔の陰影も強調されているなど、これを見た参拝者らは、トリックアートでもみるような臨場感をもったものと、おもわれる。

チマブエは絵に立体感を持たせ、あたかも壁の向こうに聖母が座っているかのような効果を狙ったのである。

結果、チマブエは名画家としての評判を獲得し、イタリア・ルネサンスの祖として評価されたが、今日的な眼からすれば、やはりまだまだ中世的描写から抜け出ていない。

一般にはむしろ、チマブエの弟子であるジョットが、ルネサンスを切り開いた画家として、広く知られているだろう。


次回はこちら

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NO TITLE

突然のコメント失礼致します。
失礼ながら、相互リンクしていただきたくて、コメントさせていただきました。
http://sirube-note.com/painter/

もしよろしければ、こちらのページから相互リンク登録していただけましたら幸いです。
http://sirube-note.com/painter/link/register/
今後ともよろしくお願い致します。
ImXANufp

NO TITLE

 立体感。今はそういうの当たり前の様に出来てるけど、最初にそれを見つけ人ってすごいよね。ここが原点なんだもんね。聖母の絵は色んな人が色々描いているけどステキだね。

NO TITLE

そもそも3次元のものを二次元に落とすのは、かなり高度なテクニックが必要で、子供がストレートにかくと、エジプトの壁画みたくなってしまいますね。

立体画法の確立にはドイツやオランダの画家の影響もあるそうですが、ここではアラブからの「レンズ」の伝来から、解き明かしていこうと思います。

次回「ジョット偏」以降にご期待くださいw
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