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レビュー:JAPANデビュー

先日放送されていた、NHK特集「JAPANデビュー」。第一回は、台湾統治編。

番組では日本を統治者、台湾をその被害者という、支配・被支配のステレオタイプに当てはめて報道しており、右なかたがたがブログなどで必死に反論していたがw、まぁそれにも一理あって、現実はもっと入り組んだものである。

たとえば、日本人は必ずしも全てが冷酷無情な支配者ではなく、中には台湾人のために尽くそうとした人もいたし、台湾人の方も自らを日本人と考え、日本のために粉骨砕心しようとした人もいた。

また台湾の中には、帝国大学を出て、日本人の上に立っていた人もいれば、日本の下級官僚の中には、地元有力者には頭が上がらない人もいたのである。

そこには単純に善悪や支配・被支配で割り切れない、複雑な関係があったと言える。


そもそも、日本の台湾統治は、欧米の植民地支配からすると、かなり奇異なものであった。

欧米の支配原理は本国での階級原理に基づくもので、本国人=貴族、植民地人=庶民という階級に従って、植民地統治は行われていた。

庶民には貴族の文化やマナーは理解できないという発想の下、(一部を除いては)現地人の教育はおざなりにされていたし、同朋意識も乏しかった。

そのため本国人と植民地人との間の溝は深く、両者が融和しあうという発想には欠けていたのである。

一方、日本の統治原理は儒教的な家族主義に基づくものであり、亜細亜という大家族のなかで、それぞれの民族は融和しあうべきだ、という思想-汎アジア主義-が説かれた。

そのための道具が皇民化=同化だったのである。

朝鮮半島は既に李朝時代に国民国家としての統一を達成していたため、その同化政策に激しく抵抗したが、中国本土との一体感が乏しかった台湾では、その同化政策が、かなりの成果を収めたのである。(台湾が省として清朝に組み込まれたのは、実に1885年のこと。日本による併合のわずか10年前のことであった)

同化運動は徹底的なものであり、家庭内でさえ、日本語をしゃべるのが奨励され、それに従った台湾人家庭もすくなくない。

前総統・李登輝に代表される高齢者が親日的なのは、この皇民化運動による部分がおおきい。おそらく、太平洋戦争に勝利していれば、台湾人は完全に日本人化したものと思われる。


そのように同化が進んだ台湾からすれば、(番組では同化=悪、と決め付けているが)、当の台湾人は、植民地支配もさることながら、同化を途中で断ち切ったことにも、恨みを抱いているように見える。

つまり「自分はこれほど苦労して日本人になろうとしたのに、それに報おうとしない日本が憎い」、ということであり、その意味で日本は、一つは同化を始め、も一つは同化を打ち切ったという、二重の罪を犯しているわけである。

もちろん、当時の日本には、他に選択肢はなかったのは確かである。敗戦国・日本にとって、戦勝国たる中華民国に台湾を明け渡すのは、やむをえないことであった。

しかし、その後もアメリカに追随して、中国政権と国交回復し、台湾と断交したのは、行き過ぎであったろう。今なお、日本にとって、台湾という国家は存在しない。中華民国というパスポートは、日本では-法的には-紙切れの意味しかもたないのである。

そのような不実な態度をとる国家が、他国から信頼を勝ち取ることはむずかしい、と言わざるをえないだろう。


次回はこちら

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