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Mansion & Dragons 02

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「まだ開かないんですか」

管理人に聞いてみると、今朝は不思議なことに、誰もやってこないのだという。いつも10時にくる郵便屋も、清掃業者も、今日はまだ来ないし、毎朝毎朝性懲りもなく世間話に来る近所の菓子屋の女将や、理髪店の主人も来ないのだという。

「おかしいですね」
「ええ」
「ひょっとすると、何か・・・起きたのかも」
「え、なんです?」
「はは、いえ、映画やドラマなんかでは病原菌が発生して、建物ごと封鎖されちゃうんですね」

管理人は顔を曇らせたので、急いで付け足した。
「いえ、もちろん冗談ですよ。もしそうなら、保健所なり警察なりが来るでしょうから」
「・・・・」
「冗談ですって」
「あの、きたんですよ、警察」

少し間をおいて、管理人は喋り始めた。
「昨日ですけどね、警察の方がお見えになって」
「え?」
「いえ、封鎖するなんてことじゃなく、単なる巡回ですけどね、いつもの。おかしなことはないか、おかしな人はいないかの調査で」
「・・まあ、それと封鎖は関係なさそうですが」
「でも、保健所の方も来たんですよ」
「保健所も?」
「それは、近所で伝染病が発生したから、気をつけるようにってチラシを配りに来たんですが」
「でも、実はこのマンションで、で、伝染病が?」
「・・・ええ、その下調べに来たのかも」

黙っていると、管理人は次々に追い討ちをかけてくる。
「実際、13階の藤森さん。ここしばらく寝込んでいるんですが、もしかしたら」
「根も葉もない噂をいわんでくれよ、管理人さん」

振り向くと、管理組合の理事長が立っていた。
「藤森さんは単なる風邪だよ。大体、本当に伝染病なら、連絡があってしかるべきじゃないか、この私に」
「ええ、でも連絡すると、逃げられるかもしれないって」
「逃げる?ばかな。私は逃げも隠れもせんよ」

理事長と管理人は仲が悪い。ただ管理人は管理公社が派遣してくるので、理事長の意向だけでは首をすげ替えることはできない。それがまた、理事長のしゃくに障るようだった。

犬猿の二人をおいて、自室に戻る。

管理人はああ言っていたが、民主主義国家では、住民に知らせもせずにいきなり監禁、なんてことは有り得ない。これは何らかの間違いだろう。だろう、とは思うのだが。


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