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不法滞在問題

フィリピン親子の強制退去問題。日本では「不法移民なんてさっさと送還すべし」「娘だけは可哀想だから、残してやれ」というのが公約数的な意見で、だいたい、経過もそのセンをたどっている。(3月14日)

この問題はきうりんブログなどを参考にすると、移民政策、国際政治、法律論など幾つか論点があって、それぞれまとめてみると、まず移民政策では、「一旦移民を入れると、日本は中国人・韓国人などに飲み込まれる」という「黄禍論」が多いようだ。

一見正しいように見える意見だが、ここで問題になっているのは、「家族で長年日本に滞在している不法移民」をどうするかであって、「不法移民そのものをどうするか」ということではない。どうも両者が混同されているように見える。

不法移民そのものは、厳しく取り締まれば良いが、既に滞日15年ともなれば、フィリピンに戻っても生活の基盤がない。ここは「時効」を適用し、日本に滞在する道を開くべきだろう。

移民法に時効を適用するのはおかしい、という意見もあるが、現にアメリカでは適用例がある。もちろんアメリカと日本は法体系も慣習も違うが、人道的解決を考えれば、ストレートに強制退去、というのも芸がない。


一旦「開国」すれば、続々と移民がやってきて日本は占拠されてしまう、という主張も強いが、「15年以上」「家族同伴」などの条件を付ければ良い。それらの条件をクリアできる不法移民など、微々たるものである。(むしろ結婚や就労、家族呼び寄せ、などで合法的にやってくる人数が圧倒的。)

もちろん入国管理局の狙いはそこにはなく、「合法移民枠の縮小」が狙いだ。一度前例を許してしまえば、次々に移民枠が拡大され、取り返しのつかないことになるという恐れだ。その考えから、日本への移民は年間1万人強、難民許可数に至っては数十人程度に抑えられている。

ただ、そのような鎖国制度は、必ずしも日本に有利に働いているわけではない。

例えば国際政治上では、「難民救済に後ろ向きな国」として評判は芳しくない。軍隊は積極的に出す一方、移民受け入れには消極的なことから、「日本の本当の狙いは勢力圏の拡大」と、その真意を疑う声もある。

また移民が極端に少ないことから、海外事情に疎い国民性が醸し出され、世界社会・世界経済の動きから取り残されるという間接的なデメリットも小さくない。


そもそも人口減社会で活力を維持するには、移民労働力の活用以外、即効的な選択肢が少ないのが現実。現に介護や医療の現場では、人手不足が深刻化している。この不況なのに、人手が足りないのは、低賃金が主な理由だが、だからといって賃金を上げようとすると、国民が負担に耐えられない。移民制限の弊害を、国民が蒙っている分かりやすい1例だ。

一度移民を受け入れると、続々と増えていくので移民労働力受け入れに反対な意見も多いが、これには「移民枠」を作ればよい。一年に1万人なら1万人のみ受け入れると上限を作り、それ以上は原則受け入れない。one ore zeroという極端な思考でなく、「コントロールしつつ利用する」というスタンスが望ましい。

似たような例に、原子力発電がある。

原発というものは事故ると恐ろしいものだが、全く廃棄すると、今度は温暖化が進行してしまい、別な危険性が高まる。それを温暖化を抑えるために原発を利用し、事故も起こさない。あるいは起きても被害は最小限にとどめる。そう考えるのが、「コントロールしつつ利用する」という発想で、日本人もそろそろ、そのようなオトナの考えを受け入れるべきだろう。


最後に法律論については、原則強制退去、として実証主義を守りつつも、特例で滞在許可を与えるという実質上自然法の立場にたった解決が望ましかったのではないか、と思う。

その上で法改正をお粉い、時効や人道の面からの救済を、新法に盛り込んでいき、その新法の施行によって、最終的にフィリピン人家族の移民問題を解決できれば、ベストではないか。

ただ昨今、排他的に傾いている世論からは、そのような法改正は難しいのかもしれない。

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