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世界遺産の怪

日本の世界遺産、京都・奈良を皮切りに、姫路城、厳島、日光、琉球までは、日本の主な文化遺産を網羅していてうなづけるが、紀伊半島から風向きがおかしくなり、石見銀山で疑問の声はさらに大きくなった。

石見銀山。おそらく日本でもその存在を知る人は多くはない、と思われていたこの地域は、一度登録延期が勧告された後、一転して登録許可となった。この大逆転の裏には、官民一体となったパワーポリティクスや裏金が動いたのでは、という推測もある。

もちろん、世界遺産は有名観光地を網羅するものではない。世界遺産には、無名に近い遺跡が少なからず含まれている。

また石見銀山は江戸時代の採鉱・精錬技術を物語る貴重な遺跡であり、ユネスコの登録基準「 ある期間を通じてまたはある文化圏において建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの」、などに合致し、書類に不正はない。

ただこの基準はきわめて曖昧であり、「石見銀山が許可されて、平泉が却下されるのはおかしい」「産業遺産たる石見が認可されるなら、軍艦島もいいはず」、という批判も噴出している。極端な話、これを拡大解釈すれば、日本にあるどの寺社・古跡も、全て「人類の重要な価値」を担っている無名の遺産にあてはまってしまうからだ。

一旦、世界遺産に登録されると、地元に莫大な利益がもたらされる。そしてその金をバックに、パワーポリティクスが展開される。これはオリンピックと同じ構図で、オリンピック委員会と同じく、ユネスコの裁定に常に黒いうわさが絶えないのも、この点にある。


もっとも、ユネスコは単なる一国際委員会であり、国家機関のように、監査や民選という浄化作用を受けることもない。そしてそのような委員会は往々にして腐敗しやすい。

有名なのが英米のユネスコ脱退事件だ。これはアメリカに批判的な運営を展開していた、80年代当時のムボウ事務局長への抗議と言われている。

またユネスコの事業自体、適切とも言いがたく、例えばユネスコが製作していた「世界の偉人暦」には、シェークスピアやダンテに並んで、紫式部や井原西鶴の名前が載っているが、おそらく日本人でさえ、このシェークスピアと紫式部が同格と思っている人は少数派だろう。

日本では舶来信仰というか、海外メディアや国際機関の言動を鵜呑みする向きが多く、またそれを悪用して、自分の主張に合った言動だけを、海外からピックアップして編集・発信する、「新しい教科書を作る会」のような知能犯も存在する。

十分気を付けたいものである。


世界遺産にもどれば、個人的には、もっともっと多くの遺跡が登録されても良い、と考えている。軍艦島でも富岡製糸工場でも、碓氷峠でも汐留でも、ユネスコが良いと思えば、与えたいだけ認可を与えれば良い。

その結果、世界遺産がインフレーションを起こし、遺産の価値が下がってくる。その中で、本当に見ごたえのある観光地と、本当に遺産的価値の高い遺跡と、そして単に政治的に作られた観光地とのチガイが、だんだんと見えてくるだろうから。

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