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ヘタリア

ヘタリア Axis Powersヘタリア Axis Powers
(2008/03/28)
日丸屋 秀和

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「801ちゃん」に続いて、「ヘタリア」も放送中止が決まった。

中止の理由は明らかにされていないが、「ヘタリア」は国家を擬人化して笑いを取っているため、TV局がリスキーと判断したのではないか、と言われている。

実際、韓国では反「ヘタリア」の署名活動や、国会での質疑応答などが行われており、無駄な摩擦を避けたいTV局としては、やむを得ぬ措置だったようだ。

日本ではそれを「言論への弾圧」「反日韓国」「韓国に媚び諂うマスコミ」などと批判する声もあるが、「ヘタリア」では韓国は「中国・アメリカ追随」「傍若無人」などと描写されており、これを見てムッとする韓国人もいるということは、想像に難くない。

実際、この著作は、「イタリアは臆病で食い意地が張っている」、「ドイツは融通がきかない」、「アメリカは単純バカ」など、微妙な描写に満ちており、数年前に起きたイスラム教風刺画事件を思い起こさせる。


2005年、デンマークの日刊紙に、イスラム教開祖・ムハンマド(=モハメド)の風刺漫画が掲載された。

その漫画は、「ムハンマドのターバンが爆弾になっている」、というもので、あたかもイスラム教徒=テロリスト、のような印象を与えかねないもの。

これに反発したイスラム諸国はデンマーク政府へ抗議。デンマークのイスラム団体も、その日刊紙に対し「宗教を侮辱した」として訴訟を起こした。

しかしデンマーク当局は、「風刺画は中傷ではない」、として訴えを却下。渦中の日刊紙も、「風刺画が許されなければ、宗教を批判する自由がなくなる」として、掲載撤回を認めなかった。

それを受けてイスラム諸国ではデンマークに対するデモ、テロ、不買運動が展開され、酪農製品などを中東に輸出していたデンマーク経済は大打撃を受ける。

またNY Timesのインタビューに、日刊紙編集長は「キリスト教への風刺画だったなら、掲載しなかったろう」と失言。欧米に潜むダブルスタンダードが露になってしまい、結局、デンマーク首相は「表現の自由は大事だが、宗教を風刺するのは行き過ぎ」と、事実上の謝罪宣言を行い、漸く事態は沈静化に向かった。


しかし、宗教を巡る欧米世論は二分され、今なお決着を見たとは言いがたい。

首相のようにリベラリズム、国際協調の観点から、表現の自由・報道の自由には自制は必要、とする意見もあれば、いや、自由は尊いもので制限されてはならない、とする意見も根強い。

もちろん後者でも、自由は無制限に許されるものでなく、中傷誹謗はダメ、と制限をつける人は多いから、単純な二元論ではなく、図式化すれば、以下のようになる。

精神の自由は無制限に守られる
 ↓
A)でも中傷はダメ
 ↓
B)上に加え、宗教への嘲笑もダメ
 ↓
C)宗教については自由はない

つまり、デンマークで起きたこの事件は、欧米ではAとBとの対立、欧米・イスラム世界ではA、B、C三つ巴の争いだったわけである。

そしてその背後には、欧米とイスラムがもつ相互不信があるとも指摘されている。


さて、この図式をヘタリア事件に当てはめて見ると、宗教を国家や民族に置きかえれば、日本国内でもABの相違があることが分かる。なんとなれば、「ヘタリア」は国家を笑いのタネにして楽しもうという趣旨の漫画だからである。

むろん、そこには先の事件ほどの風刺性・嘲笑性はないが、笑われたことがある人なら分かるだろうが、「笑い」というのは笑う本人は無邪気であっても、笑われた方は往々にしてそれを「嘲り」と取ることが多いキケンな表現である。

そこには中傷の影、誹謗の芽が潜んでおり、それを繰り返し読むことで、知らずのうちに読者には、差別感情が植えつけられるという副作用もある。

といって、これを国家権力で白金処分にしてしまうと、表現の自由が圧殺されてしまいかねない。宗教や国家は笑い飛ばすことで、無化・相対化できる、という意見もあるからだ。

そこで社会への影響の大きいTV局はヘタリアを中止し、サブカルチャー的な一部放送局や紙メディアでは続行、という結末を迎えたと思われる。デンマークと比べると、この波風を立たせず、実をとって調停を図るという対応は、なかなか日本的で面白い。


当のヘタリアはというと、実は余り面白くなかったw。確かに国家を擬人化して楽しもうというアイデアは秀逸なのだけど、それ以上でもそれ以下でもなく、いずれネタが尽きれば、存在自体消失してしまう予感。

また、上でも書いたが、外国人から見ると不愉快に思うだろうな、という描写が多く、「日本はこんなに差別的な国なんですヨ」という印象をもたれかねない。

まあ欧米でも「民族ジョーク」(一番の幸福は、日本人の嫁をもらい、中国料理を食べ、アメリカの家に住む事。一番の不幸は、日本の家に住み、中国人の嫁をもらい、アメリカ料理を食べること。)が横行しているので、この種のジョークが許されると思っていたのかもしれないけども。

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 >「民族ジョーク」
 ⇒そうなんですか?初めて知った。深い意味はなく面白いね(不謹慎v-11?)。中国人のお嫁さんってどんな感じなのかな?美しいイメージがあるけどね…。

確かに民族ジョークは面白いんですけどねw。他にも色々ありますよ。沈没しかかった船には浮き輪が一つ。残された乗客は?というのも有名な民族ジョーク。

イタリア人は女性に浮き輪を差し出した。アメリカ人は船を救おうと操舵室に駆け込んだ。ロシア人は行列を組んで海に入った。ドイツ人は規則正しく海に飛び込んだ。みんなが海に入るのを見た日本人は自分もと飛び込んだ。。。

中国の嫁入りは、日本の嫁入りと良く似てますね。金襴緞子の帯締めながら♪ただ向こうではリムジンに乗って、式場に向かうそうです。
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