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ホスピタリティともてなし1

ホスピタリティ(hospitality)という言葉は、hostが原義になっている。つまり主人として客をもてなす。歓待する。そういった意味が、hospitalityには含まれている。

ホスピタリティは日本語では「もてなし」と訳すことが多いが、「もてなし」とは「もって成す」、が原義である。物事を処理するために、何かをもちいて、物事を成し遂げる、ということだ。

つまり「もてなし」は、「物事を処理する」というニュアンスを含んでいるのである。実際、古い用法では「彼女をもてなす」というと、「彼女の生活の面倒を見てやる」という意味で使われていた。

また朝廷の儀式などで、席順や待遇などを処理することも、「もてなし」と言われた。「国賓としてもてなす」という用法は、現在でも使われる。

儀式には宴会が憑きものである。そこから「もてなし」は、儀礼上だけでなく、歓待上のことをも意味するようになり、意味のデフレ現象により、後世にはこの意味が主体になっていったと、考えられる。

ただ、現在使われている「豪華なおもてなし」「心からもてなす」などという使い方には、元々の意味である「(厄介ごとを)処理する」というニュアンスが、含まれているように思える。

つまり、本来面倒な存在である客を、うまい具合に処理し、いい気分にさせて帰ってもらう。ついでにお金や恩義なども落としてもらう、という意図が透けて見える。もし「もてなし」に真心の意味が含まれているならば、「心からもてなす」などという、くどい用法は出て来ないだろう。

古来、日本にはマレビトという思想があった。外界から来る人物を、神としてもてなす伝統である。これは日本人のウチ・ソト意識の強さを重ね合わせて考えると、実は災厄をもたらしかねない外からの来訪者を、どうにかなだめて送り返す、という古日本人の知恵の現れではのように見える。

具体的には、おそらく酒と女をあてがう、ということだったのだろう。先の敗戦後、進駐して来たマレビト=米軍をもてなすために「慰安婦」が手配されたのは、有名な話である。

言うなれば、日本の「もてなし」とは、相手のことを考えて尽くす、というよりも、むしろもてなす側の都合で、相手にいい思いをさせて帰ってもらう、というサービスサイドの観点がつよい、と言えるだろう。

ホテルマンや旅館の女将がよく「おもてなし、おもてなし」と唱えるのは、つまりは自分の生活の安定を図るための呪文なのである。

テーマ : ことば
ジャンル : 学問・文化・芸術

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